Brad MehldauのTranscriptions
Brad MehldauやKeith Jarrettなどのtranscriptionをアップしていた、Michael Lucke氏のチャンネル。開設されてから半年くらいでチャンネル登録していた記憶があります。しっかりコピーすることはありませんでしたが、ボーッと動画の中の楽譜を眺めていると結構楽しいのでよく視聴しています。
先日、色々新しいの上がってるなぁと思い、動画を視聴したところ、どうやらBrad Mehldau本人とパートナーシップを結び、1曲ごとのtranscriptionの販売を開始したみたいです。
実際私が買うかどうかは置いておいて、権利的にグレーなコンテンツが、本人公認のコンテンツへと昇華されるのは、なかなか夢のある話だなぁと思ったのでブログに書くことにしました。
Cabbageを使ってトランペットシンセを作る①
最近ブラスの音源のちゃんとしたものが欲しいなぁと思い、色々調べていました。以前紹介した、Chet Singer氏が公開しているReaktorライブラリーのDannenberg Wind Oscillator は簡単に音色を変更できる点、よく楽器の特性を再現できている点においてとても優れているのですが、シンセ臭さが多少あり、今のところ、実際に打ち込みで生楽器の代わりとして使うのはなぁ、という印象です。また、Chet Singer氏が公開しているHerald Brassは、より生楽器に近い印象ですが、若干midiコントローラーによる操作が難しく、勢いを誤るとシンセ臭くなってしまいます。
両者の違いは、モデリング方法の違いで、前者がwaveform合成によるモデリングを利用していて、後者が既存の研究結果であるSynthesis Toolkitのphysical modelingを利用しています。
waveform合成によるモデリングで有名なものはWivi BandというWallander社(Wallander Instruments)が開発したものらしいです。
デモ版があったので落としてみたところ、なかなか本物っぽい音が鳴り、いい感触でした。これくらいのクオリティのものが作れるなら、自分でwaveform合成を使ってモデリングするの面白そうだなぁと思い、最近着手し始めました。
使用するソフトウェアはwavetableシンセ、、、といきたいところでしたが、パラメータを入れた細かい調節がシンセ上で難しそうなのと、仮に出来上がったとしても、出来上がったそれはシンセの1プリセットにしかすぎない、ということで、シンセを一から作ることにしました。
REPORTAL NETさんがブログで紹介されていた、Cabbageというソフトウェアを使います。GUIがポンっという感じで作成できるので中身だけ頑張ればいい、というのがとても楽です。CabbageはCsoundという太古の言語のフレームワークなので、Csoundを一から勉強しなくてはなりません。
日本語で解説しているサイト、文献などは皆無に等しく、非常に使いづらい&欲しい情報が載っていない、公式のマニュアルから情報を読み取らなくてはならないので結構苦戦しています。
以下自分用メモ書き。
・メインのウェーブフォームは、サイン波を合成したものである、Gen10関数を用いる。
・トランペットにおける、Gen10関数のStr(1~20くらい?)の値(それぞれの倍音成分を表す)を弱いダイナミクスと強いダイナミクスで推定
→一つのつまみで、全てのStr値が弱いものから強いものに連続的に変化するようにそれぞれのStr値の係数を計算。
・ブレスの音はノイズを加工する。
ノイズの関数は
dust2 kamp, kdens
fractalnoise kamp, kbeta
ares gausstrig kamp, kcps, kdev [, imode] [, ifrst1]
とあるが、fractalnoiseを利用。
・発音の調整はlinsegr、madsrを利用。
Gen10関数とノイズを足せばそれっぽいものが得られる、、、はず。
無料アップライトベース音源配布
無料のウッドベースの音源(市販も)を色々探していましたが、あまり感触のよいものがなく(多くの場合鳴りすぎ)、それならばと思い、自分で録音し、sfz音源を作ってみました。
自分的には、なかなか満足いく完成度のものができたので、配布してみます。
Dropbox - mybass.zip - Simplify your life
・あまり手間を掛けたくなかったので開放弦以外はそれぞれ半音飛ばしで録音しています。(FGB♭C....)
・それぞれの音につき4レイヤーの録音を行ったため、全部で60のサンプルから構成されています。
・ハイポジションは私の楽器がうまく鳴ってくれない、というのもあり、録音していません。他の音源で補ってください。
・試しに半日ほどで作ってみた、という感じなので、細かいピッチやサンプルのリズムのずれを修正しきれていません。気になる方はご自分で修正していただければ幸いです。(気が向いたら修正版上げるかもしれません)
デモとしてOscar Pettiford作曲のTricotism弾いてみました。 B部分はうろ覚えで弾けません。
Jon Meyer氏のピアノサンプルの再マッピング
Jon Meyer氏が先日配布したKontakt用のピアノライブラリー。DTM情報サイトで知り、ダウンロードしてみました。
当方Kontaktはデモ版しか所持していないため、15分のデモで確認しただけですが、なかなかに良い印象でした。
Jon Meyer氏の求めるサウンドはこれはこれで完成されていると思うのですが、自分で弾くのには若干抜けが弱いと感じたり、リリースの音が大きすぎたり、不便に感じることがあったのと、Kontaktを所持していないためにSforzandで運用したかったので自分でsfzマッピングをしてみました。
Jon Meyer氏のサイトでは特に利用規約などは見つからなかったのですが、sfzファイルの公開はちょっと…と思うこともあり、どのようなマッピングをしたかだけを残しておきたいと思います。
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・offset=35000(サンプルの再生開始時間)
・ampeg_release=1(リリースの長さ)
・trigger=release (リリース用のサンプルの再生を通常のサンプルのリリースと同時に行うためのコード)
・volume= (サンプルの音量の調整、デフォルトのままだとリリースサンプルの音が大きいので-30程度に設定)
・一つのノートにつき2本のマイクでの4ダイナミクスでの収録なので8サンプルあり、基本的には2つのサンプルを4つのベロシティレンジで並べれば良いのですが、サンプルの録音が7半音ずつで行われているために、多少無理があるところがあり、違うダイナミクスのものを混ぜたり微調整を行いました。
こんなところですかね。半日ほどで終わりましたが、慣れていればそこまでかからないかと。検索した文字列を特定の文字列に置き換える機能があるテキストエディターの使用推奨です。
出来にはかなり満足しています。自分好みのマッピングができる、と言うのもありますが、元のサンプルが素晴らしいので、十分使用に耐えるものが出来上がりました。有料音源(EWのスタインウェイ)
と比較しても優っている部分があると思います。
興味のある方は是非試してみてください。
Spitfire EPIC BRASS & WOODWINDSレビュー
レビューというか紹介というか、そんな感じの記事です。
Originals — Essential Cinematic Ingredients
こちら、$29と格安のオーケストラ音源で、Brass音源一種類とWoodwinds音源一種類の二種類が入ってるものとなっています。もちろん、ソロ音源がないのは承知の上でしたが、各楽器ごとの音源もないのには少し驚きました。(公式サイトには記載なし、公式動画からもそこまでは把握できない。)しかし、そこを割り切って使えばそこそこ使えるかなぁという感じです。無料配布されているLABsのStringsと同じ感じです。
youtubeの動画レビューを見てから購入すればよかったかなぁと。
公式サイトによると、6つのessentialなアーティキュレーションが含まれている、とのことでしたが、Brassに3つ、Woodwindsに3つのアーティキュレーションが存在し、合わせて6つといった感じです。
プレイヤーは19人と書かれているので、1楽器につき2人いると推測されます。
マイクはcloseとroomが存在し、おまけ程度ですが、distortionを通した音もmixできます。
不都合なことに関しては、詳しく記載しないで、ね?BrassとWoodwindsの音源でしょ?と納得させる売り方は少しいかがなものか、と思いますが、実際一つの音源でいろいろな楽器を鳴らすことができるのは楽ですし、音も作り込まれているので、簡単にオケの雰囲気を出すことができます。
Brassは、一つの音に関して、二種類の楽器がオクターブで鳴るため、少し使い方を工夫する必要があります。( 例えば、チューバとトロンボーンが同時に鳴る。 )
(おそらくですが・・・)Woodwindsは一つの音で、二種類の楽器が鳴ることはなく、同じ楽器が二本鳴る仕様なので、そのような心配は要らず、逆に打ち込みやすいと思います。
Labsのstringsと最近出たばかりのTrumpet fieldを合わせれば、そこそこのクオリティのものが作れるのではないかなぁと思います。
同シリーズのStringsはyoutubeのレビュー動画で様子を見てから購入するかを決めますかね。
ブラシ奏法研究
先日のエントリーで、ブラシ奏法のドラム音源、Swirly Drumsをレビューしました。
( 安価なブラシドラム音源 Swirly Drums - hex_music )
私は、ギター、ベース、ピアノはそこそこ弾いてきましたが、ドラムは軽く練習した程度で、ブラシに関しては、触ったこともないくらいです。
ジャズはそこそこ長いこと聴いてきましたし、ブラシを用いた曲を演奏することも多々ありましたが、ブラシの奏法に関しては本当に無頓着で、わからないことが多かったので、最近はyoutubeで勉強しています。備忘録も兼ねて、参考にしている動画をぺたぺた貼りたいと思います。
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まず最初が、Jeff Hamiltonがブラシ奏法に関して説明している動画です。
Jeff HamiltonはRay Brown Trioなどで有名なドラマーで、スティックでのシンバルレガートもとても綺麗なのですが、ブラシのテクニックがすごい方です。
スネアでのブラシワークの参考になるかと。
Ed Thigpenの動画 はワルツでのブラシワークの参考になると思います。
次がBilly Hartの教則動画です。私の大好きなドラマーの1人です。
ビバップスタイルでのブラシ奏法の模範です。先ほどとは違い、ドラムキット全体の使い方が勉強できます。
次に紹介する動画は、教則動画ではないのですが、好きなドラマー、Craig Weinribのライブ動画です。
先ほどのBilly Hartの動画での演奏スタイルは、ハイハットを2、4で踏み、キックでアクセントをつけるものでしたが、Craig Weinribのこの動画での演奏は、ハイハット+キックをアクセントをつけるのに用いています。ハイハットで毎回同じところでリズムを刻んでいないので、ふわふわした感じの演奏になっています。
他にブラシのプレイが好きなドラマーを挙げるとしたら、Paul Motian、Terry Clark、Vernel Fournierなどですかね。
色々なスタイルを吸収していきたいです。
安価なブラシドラム音源 Swirly Drums
基本的にBFD3で大体の必要とするサウンドは手に入るのですが(いい音かはさておき)、ブラシのドラグの音が酷すぎるのと、ハイハットのペダルに関して開き具合が設定されておらず、一つの音色しか出すことができないのが不満です。
ハイハットのペダルに関してはブラシでOpenのTipかShankを叩けば似たような音が出るので、そこまで問題ではないのですが、ブラシのドラグに関しては、どうしようもない感じなので、他の音源を探していました。
・ブラシ音源の必要条件
・右手と左手のドラグ音色が存在する。
・4k以下
・非Kontakt音源
・ドラグの長さを調節できる
BFD3の拡張パックも考えたのですが、ソフトウェアに20000ほど、拡張パックに10000弱出費するのは流石に腹立たしいですし、サンプル音源を聴いたところ使えるブラシのドラグの音があるようにも思えなかったのでやめにしました。
(演奏例も割と舐めとんのか、というようなものだったので購買意欲が削がれた、というのもあります。↓参照
https://fxpansion.com/products/bfdx/bfdexpansions/bfdjazzmaple/ )
まず探したのは、フリーのsfzフォント。結構漁ったのですが、リンク切れや、配布終了が多く、入手できませんでした。プラグインもちょっと前までデモ版が配布されていたりしたようですが、すでに配布終了しているようで、手に入るものはありませんでした。 (こことか→ https://sampleson.com/brushify-pro-brush-drums-vst.html )
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で結局たどり着いたのがKaroryferのSwirly Drums (
Swirly Drums - Karoryfer Samples - Karoryfer Lecolds
)
右手と左手のドラグ音色が存在し、値段も9ドルと安価だったので購入してみました。Kontaktのパッチとsfzのパッチ、両方が含まれており、どちらでも利用可能です。私は、Kontaktを所持していないため、sfzで運用しています。
STIRSがブラシのドラグ部分、こちらと、SNAREのパラメータで音色を調整します。
Deadenはその名の通り音のデッド具合を調整するもので、STIRSのCurveはFlat、Moderate、Heavyの三つから選択でき、ブラシの押し付け具合を選べます。また、Timeはエンべループのアタックに相当するパラメータ、Tailはドラグの長さを調整するパラメータとなっています。
この音源、ブラシのドラグのためだけに購入したのですが、実はハイハットの音が色々豊富です。
軽く踏む、普通に踏む、ブラシで叩くの三つのキーアサイメントが存在し、叩いたときのペダルの踏み具合を五つから選べます。
シンバルの音もキックの音も必要十分な感じなので、ブラシを用いた音源を作成するときはこれで事足りそうです。
静かめなジャズを打ち込みたい方、使える安価なブラシ音源を入手したい方にはかなりオススメできます。